1年以上の長期海外滞在では、出国前に住所地の市区町村役場で『海外転出届(転出届)』を提出するかどうかを検討します。海外転出届を出すと住民票が除票され、その結果として住民税・国民健康保険・国民年金などの扱いが変わります。出す・出さないは義務というより本人の状況によりますが、滞在が1年以上になる場合は提出するケースが一般的です。
海外転出届を提出すると、①住民税:翌年度以降の課税対象から外れる(住民税は1月1日時点の居住で課税されるため、出国時期により当年分の扱いが変わる)、②国民健康保険:資格を失い保険証が使えなくなる(=海外旅行保険が必須になる)、③国民年金:強制加入ではなくなり『任意加入』を選べる、といった影響があります。それぞれメリット・デメリットがあるため、自分の滞在期間と帰国後の予定を踏まえて判断します。
国民年金の任意加入は、将来の年金受給資格・受給額に関わります。海外転出中も任意で加入し続けることができ、加入すれば納付期間としてカウントされます。加入しない場合、その期間は『カラ期間(合算対象期間)』として受給資格の判定には算入されるものの、年金額には反映されないのが一般的です。将来の年金を重視するなら任意加入を検討しましょう。
手続きの一般的な流れは、出国前に市区町村役場で①転出届(海外転出)を提出、②国民健康保険の脱退手続き、③国民年金の任意加入または資格の確認、を行います。マイナンバー・印鑑・本人確認書類などが必要になることがあります。クレジットカードや銀行、各種サービスの住所・連絡先も、実家等に変更しておくと安心です。国外転出者向けのマイナンバーカードの継続利用制度など、制度は年々変わるため最新情報を確認してください。
各手続きの要否・方法・影響は個々の状況や自治体で異なります。判断に迷う場合は、出国前に住所地の市区町村窓口や年金事務所で確認してください。この記事は一般的な整理であり、最終的な判断は公式窓口の案内に従ってください。