結論から言うと、Bond(敷金)が返ってこない・不当に差し引かれたときは、①証拠を集める → ②相手(家主/借主)と記録の残る形で交渉する → ③解決しなければ州の預託機関やトリブナルに申し立てる、という順で進めます。正式な賃貸でBondが州の機関(NSW Rental Bonds Online / VIC RTBA / QLD RTA)に預託されていれば、返金は公的な手続きで請求でき、家主が勝手に全額を差し引くことはできません。
まず集めるべき証拠は、①入居時のCondition Reportと写真、②退去時の部屋の写真、③家賃・Bondの支払い記録、④契約や条件のやり取り(メッセージ)です。特に入居時と退去時の写真を並べれば、『元からあった傷』か『通常使用による経年劣化(fair wear and tear)』かを示せます。経年劣化はあなたの負担にならないため、掃除の不足や実際の破損以外を理由に差し引かれた場合は反論できます。
正式な賃貸の場合、返金は州の預託機関を通じて申請します。双方が返金額に合意すれば速やかに返金され、合意できなければ州のトリブナル(NSW=NCAT / QLD=QCAT / VIC=VCAT)に判断を求めます。トリブナルは低コストで利用でき、証拠に基づいて公平に裁定します。手続きの詳細と申請先は、各州の賃貸当局の公式ページで確認してください。
難しいのはシェアハウスの又貸し・間借りで、Bondが個人間でやり取りされ州の預託制度が使われていないケースです。この場合は州のトリブナルの賃貸手続きが使えないことが多く、少額訴訟(small claims)など別の手段になることがあります。だからこそ入居時に、Bondの金額・返金条件を書面で残し、支払いを銀行振込で行い、部屋の状態を写真で記録しておくことが最大の予防策になります。まずは冷静に、証拠を示して返金を求める交渉から始めましょう。