まず前提として、Uber EatsやDoorDashなどの配達は多くの場合『雇用』ではなく個人事業主(sole trader)としての請負にあたります。そのためABNを取得し、収入は自分で申告(タックスリターン)し、経費や記録も自分で管理します。給与のように税金が天引きされないので、あとで納税できるよう準備しておくことが重要です。
ABN(Australian Business Number)は個人事業主として活動するために必要な番号で、申請は無料です。TFN(タックスファイルナンバー)とは別物で、TFNは税金全般の個人番号、ABNは事業の番号です。ABNは正規のルート(ABR=Australian Business Register)から無料で取得でき、代行で手数料を取る非公式サイトに注意しましょう。
所得税について、配達収入は事業所得としてほかの収入(アルバイト等)と合算して申告します。給与と違い源泉徴収がないため、納税分を自分でよけておく(例:収入の一部を別口座に取り分ける)と安心です。ワーキングホリデー(WHM)ビザの人には専用の税率区分があり、税率・控除の適用は年度や個人の状況で異なります。具体的な税率・控除の可否は断定できないため、ATOや登録税理士で確認してください。
GST(消費税)は配達で特に間違えやすい点です。配車サービス(ride-sourcing=Uberなどの乗客輸送)は売上額にかかわらずGST登録が必要ですが、フードデリバリー(食べ物の配達)はこの特別ルールの対象外で、原則は事業売上がGST登録基準額(一定のしきい値)未満ならGST登録は不要です。ただし複数の事業を兼ねる場合や状況により判断が変わるため、自分がGST登録すべきかはATOで確認しましょう。
Super(退職年金)については、個人事業主は原則として自分自身の分のSuperを拠出する法的義務はありません(従業員を雇う場合の話とは別)。将来のために任意で自分のSuperに積み立てることは可能です。最後に、記録保存はとても大切です。プラットフォームの支払明細、経費の領収書、走行記録などを毎月そろえておくと、確定申告がスムーズになり、税務上の確認にも対応できます。記録の付け方は関連記事(経費と走行記録)も参考にしてください。