結論から言うと、受診先は緊急度で決めます。①命に関わる緊急(強い胸痛、呼吸困難、大出血、意識がおかしい、ろれつが回らない・顔や手足のまひ、重度のアレルギー反応など)は迷わず『000』に電話するか救急外来(Emergency Department=ED)へ。②緊急だが命に別状のない怪我・病気(軽い骨折・ねんざ、切り傷、感染症、膀胱炎、軽いやけどなど)は『Medicare Urgent Care Clinic(UCC)』または『GP』へ。③通常の体調不良・継続的なケア・健康診断・処方箋は『GP(かかりつけ医)』へ。判断に迷うときは、24時間の無料健康相談電話 healthdirect に電話して指示を仰げます。
GP(General Practitioner=かかりつけ医)は、オーストラリアの医療の入口です。予約制のクリニックが多く、必要に応じて専門医や病院を紹介(referral)してもらいます。緊急時を除き、いきなり大病院や専門医には行きません。まずGPを受診するのが基本の流れです。
Medicare Urgent Care Clinic(UCC)は、政府が運営する『予約不要(walk-in)』の緊急ケアクリニックです。朝早くから夜遅くまで開いており、命に関わらないが早めに診てほしい症状——軽い感染症、軽い骨折・ねんざ・スポーツ外傷、膀胱炎(UTI)、性感染症(STI)、切り傷、虫刺され・発疹、軽い目や耳のトラブル、呼吸器の不調、胃腸炎、軽いやけど——に対応します。EDが混む前に軽症を受けられるため待ち時間を減らせますが、対応するのは『緊急だが命に別状のない』症状に限られます。
重要な注意点として、UCCは『bulk billed(Medicareで自己負担なし)』を掲げていますが、これはMedicareカードを持つ人向けの仕組みです。日本はオーストラリアと相互医療協定(Reciprocal Health Care Agreement)を結んでいないため、日本国籍のワーキングホリデー参加者は原則Medicareの対象外です。その場合、UCCやGPでも料金が発生し得るので、受付で『Medicareがない』と伝えて費用を確認し、支払った領収書で加入している海外保険に請求します。
Emergency Department(ED=救急外来)と『000』は、生命に関わる重症のためのものです。EDは重症度で診る順番が決まる(トリアージ)ため、軽症で行くと何時間も待つことがあります。救急車(ambulance)は州によって有料で、保険や州の制度で扱いが異なります(詳細は救急車の費用の記事へ)。命の危険を感じたら費用より先に000を優先してください。