Public Liability Insurance(賠償責任保険)は、仕事中に第三者にケガをさせたり、他人の物を壊したりして損害賠償を求められたときに備える保険です。清掃・組立・引っ越し補助・イベント・便利屋など、他人の家や場所で作業する個人事業主(sole trader)にとって特に重要です。オーストラリアでは、事故の賠償額が高額になることもあるため、こうした保険で万一に備える人が多くいます。
そもそも個人事業主は雇用主に守られていないため、事故の責任を自分で負うことになります。たとえば清掃中に高価な家具を傷つけた、作業中に通行人にケガをさせた、イベントで機材が倒れて損害が出た、といったケースで賠償を求められると、保険がなければ自己負担になりえます。Public Liabilityはこうした『第三者への賠償』をカバーする保険で、自分自身のケガ(それは所得補償や医療系の保険)とは別物である点に注意しましょう。
保険を選ぶときは、① 補償額(いくらまでカバーされるか。契約先が一定額以上の加入を求めることもある)、② 補償範囲(どの業務・どの場所が対象か)、③ 免責(自己負担額=excess)、④ 除外事項(対象外になる作業・状況)、⑤ 保険料、を確認します。特に『除外事項』は見落としやすく、危険作業・専門作業・特定の場所が対象外になっていることがあります。自分の実際の仕事内容が補償範囲に入っているかを必ず確認しましょう。
義務かどうかは状況によります。Public Liability自体は多くの場合『法律で一律に必須』というものではありませんが、契約先(依頼者・プラットフォーム・会場・元請け)が加入を条件にすることがよくあります。また、業種によっては州のライセンスや登録の条件として保険加入が求められる場合もあります。プラットフォーム(Airtaskerなど)が一定の補償を提供する場合もありますが、範囲・条件・除外は変わりうるため、公式で内容を確認し、足りない部分は自分で備えるのが安全です。
検討の進め方は、(1) 自分の仕事で起こりうるリスク(誰に・何に損害を与えうるか)を洗い出す、(2) 契約先が求める補償額・条件を確認する、(3) 複数の保険を補償範囲・除外・免責・保険料で比較する、(4) 業務内容が変わったら補償範囲を見直す、が基本です。保険料は経費として扱える場合がありますが、可否はATOや税理士に確認しましょう。保険は『安いから』ではなく『自分の仕事のリスクに合っているか』で選ぶことが大切です。内容の判断に迷ったら、保険会社やブローカー、専門家に相談してください。