結論から言うと、帰国後に感じる『なんだか居心地が悪い』『日本の生活になじめない』という感覚は、多くの帰国者が経験する『逆カルチャーショック(reverse culture shock)』で、異常なことではありません。海外での生活・就労で価値観や生活習慣が変わった状態で、以前と同じはずの日本に戻ることで、かえってギャップを強く感じるのが原因です。時間の経過とともに和らぐことが多いので、『自分だけがおかしい』と抱え込まないことが第一歩です。
よくある症状として、日本のペースや同調圧力に窮屈さを感じる、オーストラリアを理想化して『戻りたい』と思い続ける、周囲と経験を共有できず孤独を感じる、目標を見失って無気力になる、逆に刺激を求めて落ち着かない、などがあります。海外に行く時の『行きのカルチャーショック』と同じく、これらは適応の途中で起きる自然な反応で、多くは数週間〜数か月で徐々に落ち着いていきます。
乗り越えるための工夫はいくつかあります。① 逆カルチャーショックという現象を知り『適応の過程』と位置づける、② 生活リズム(睡眠・食事・運動)を整える、③ 経験を語れる相手(同じくワーホリ経験者・オンラインコミュニティ)とつながる、④ オーストラリアで得たもの(英語・自立・視野)を否定せず、日本での生活に少しずつ取り入れる、⑤ 完璧な再適応を焦らず、小さな目標から動き出す。『前の自分に戻る』のではなく『経験を足した新しい自分で生活を組み直す』と考えると楽になります。
キャリアの再始動は、この時期の大きなテーマです。焦って『とりあえず』で決めるより、まず経験の棚卸しをして、ワーホリで得たスキル・価値観・やりたい方向性を整理しましょう。英語や海外経験を活かせる仕事、腰を据えて専門性を積む仕事など、選択肢を広く見てから動くのがおすすめです。履歴書・面接での経験の伝え方は関連記事にまとめています。生活費の余裕がないと焦りが増すため、帰国直後の当面の資金計画も並行して立てておくと落ち着いて動けます。
つらさが強く長引く場合や、眠れない・食べられない・何も手につかない・気分の落ち込みが続くといったサインがあるときは、我慢せずに専門家に相談してください。日本ではかかりつけ医や地域の相談窓口、必要に応じて心療内科・精神科やカウンセリングを利用できます。海外の情報としては、オーストラリアのhealthdirectやBeyond Blue、Lifeline(13 11 14/豪州内向け)などが、メンタルヘルスの一般的な情報や相談の目安を提供しています。命に関わると感じたら、迷わず住んでいる国の緊急連絡先に連絡してください。