結論から言うと、現金で給料を受け取ること自体は違法ではありません。問題になるのは、その現金払いが『税金の無申告』『最低賃金割れ』『Payslipやスーパー(Super)の不払い』とセットになっている場合です。多くの『Cash in Hand』の仕事はこれらの問題を伴い、結果的にワーホリ本人が大きく損をします。
現金払いに潜むリスクは複数あります。まず、雇用主がATOに申告せず源泉徴収もしていないと、Payslipが出ず、Superannuation(退職年金)も積み立てられません。あなたの労働記録が残らないため、最低賃金を下回っていても立証が難しく、未払いの回収も困難になります。
ワーホリにとって特に痛いのは、タックスリターン(確定申告)とセカンドビザへの影響です。記録に残らない収入は、後で申告や還付の裏付けができません。ファーム等のSpecified Work(88日)でセカンドビザを狙う場合、Payslipや銀行入金の記録がないと日数を証明できず、ビザ申請で不利になります。
労災保険(Workers Compensation)の観点でもリスクがあります。記録のない現金労働中に怪我をすると、労災の補償を受けにくく、治療費を自己負担する恐れがあります。『税金が引かれないから手取りが多い』という一見の魅力の裏で、保護と証明を失っているのが現金オンリーの仕事です。
対処としては、たとえ現金で受け取る場合でも、①Payslipを必ず求める②時給が最低賃金以上か確認する③TFNを提出し正しく源泉徴収してもらう④労働時間と入金を自分でも記録する、を徹底しましょう。これらが守られない現金払いは避けるのが賢明です。不当な扱いはFair Work Ombudsman(無料・多言語)に相談できます。