結論から言うと、配達の手取りを正しく把握し、申告で困らないためには『収入と経費を毎月記録し、仕事に使った分だけを経費にする(按分する)』ことが基本です。給与と違って税金が天引きされないぶん、経費と記録をきちんと残せるかどうかで申告のしやすさと結果が変わります。ここでは記録の考え方を整理しますが、何が経費にできるか・割合は個人差があるため、最終的な判断はATOや登録税理士で確認してください。
配達で経費になりうる主な区分は、① 車両関連(燃料・電気、整備・修理、登録、保険、減価償却、レンタル料など)、② 通信関連(配達に使うスマホの通信費・端末代の一部)、③ 装備・消耗品(配達バッグ、スマホホルダー、ヘルメット、雨具など)、④ その他(プラットフォーム手数料など)です。いずれも『仕事に使った割合(business use)』の分だけが対象で、私用と兼ねるものは按分が必要です。
車の経費計算には代表的に2つの方法があります。ひとつは『logbook method(走行記録法)』で、一定期間(連続した代表的な期間)の走行を記録して仕事使用の割合を出し、その割合で車の実費(燃料・整備・保険・減価償却など)を経費にします。もうひとつは走行距離に基づく簡易な方法(cents per kilometre)で、一定距離までを1kmあたりの定額で計算します。どちらが使えるか・有利かは状況によるため、方法の選択もATO/税理士に確認しましょう。自転車・E-bikeは車とは扱いが異なります。
記録の実務としては、(1) 各プラットフォームの支払明細を毎月ダウンロードして保存、(2) 燃料・整備・装備などの領収書を日付・金額・用途がわかる形で保管(アプリ撮影でも可)、(3) 走行記録は『日付・出発/到着・距離・仕事/私用の別』を残す、(4) スマホ通信費は仕事使用の割合を見積もって按分、を習慣化します。私用と仕事が混ざるもの(スマホ、車)は必ず按分し、100%仕事とみなさないよう注意します。
最後に、記録は原則として一定年数の保管が求められます(保管期間はATOの案内で確認)。年度末にまとめて探すのは大変なので、月次でそろえておくのが結局いちばん楽です。ATOの公式アプリやスプレッドシート、家計簿アプリなどを使って、収入・経費・走行を一元管理すると申告がスムーズです。経費の可否や按分割合に迷ったら自己判断せず、登録税理士(registered tax agent)に相談すると安心です。