ファームの賃金形態は大きく『時給制(hourly)』と『歩合制(piece rate/ピースレート)』の2つです。結論として、収穫量に自信がない・作柄が読めないなら時給制のほうが安全で、収穫が早くコンディションの良い畑なら歩合制で高収入も狙えます。どちらでも、園芸労働をカバーするHorticulture Award(園芸賞レート/MA000028)のもとでは最低限の賃金が守られる仕組みがあります。
時給制は、収穫量に関係なく働いた時間に応じて支払われます。収入が安定し、初心者や作柄の悪い畑でも最低賃金が保証されるのが利点です。歩合制は、摘んだ量(バケツ・箱・株の数など)に応じて支払われる方式で、速い人ほど稼げる一方、実りが少ない畑や慣れないうちは収入が下がりやすいというリスクがあります。
重要なのは、2022年4月28日以降、Horticulture Award が適用される歩合制の労働者には『最低賃金の保証(floor)』が導入されたことです。これにより、歩合で計算した金額が該当する時給(カジュアルなら割増含む)を下回る場合でも、最低限その時給額は支払われなければなりません。つまり『歩合だから最低賃金を下回っても仕方ない』は原則として認められません。Award の対象外(award-free)で働く場合でも、全国最低賃金(National Minimum Wage)は守られる必要があります。
契約前に必ず確認すべきことは、①時給制か歩合制か、②歩合制なら単価(1バケツ/1箱いくらか)と最低賃金保証の有無、③Payslip(給与明細)を発行するか、④宿代・送迎費・道具代の天引きはあるか、⑤給与は銀行振込か、の5点です。これらを口約束ではなくメッセージや書面で残し、実際のPayslipで単価・時間・控除が正しいかを毎回チェックしましょう。
なお、Horticulture Award は果樹・野菜・花きなどの園芸を対象としますが、ワイン用ぶどう(Wine Award)、林業(silviculture)、サトウキビ(Sugar Award)などは別の賞レートが適用されます。自分の作業がどの賞レートに当たるかで最低賃金が変わるため、賃金に疑問があるときはFair Work Ombudsman(公正労働オンブズマン)に確認するのが確実です。