結論から言うと、ワーホリ(サブクラス417・462)の所得には、税務上の居住者か非居住者かに関わらず『Working Holiday Maker(WHM)税率』が適用されます。つまり『居住者だから15%』ではなく、ワーホリという区分ゆえに最初の45,000 AUDまで15%が適用されるのです。この2つ(居住性とWHM税率)を混同しないことが最大のポイントです。
では税務上の居住性(residency for tax purposes)は何に関係するのでしょうか。居住性は、ビザの種類や入国管理上の在留資格とは別の、税法上の概念です。居住者か非居住者かは、Medicare Levy(メディケア税)の対象になるか、WHM収入以外の所得(銀行利子など)の扱い、そして海外所得の申告義務などに影響します。WHMの給与そのものの税率には影響しませんが、周辺の扱いが変わります。
居住性の判定:ATOは複数のテストで総合的に判定します。代表的なのは、①resides test(生活の本拠が実際にオーストラリアにあるか)、②domicile test(住所・恒久的居所)、③183日テスト(その年度に半年以上滞在したか)、④superannuation test。長期に1か所へ腰を据えて生活・就労する人は居住者と判定されやすく、短期間で各地を転々とする典型的なワーホリは非居住者と判定されることもあります。滞在の実態によって結論が変わるため、一律には決まりません。
実務上の注意:多くのワーホリは、給与についてはWHM税率で源泉徴収され、年度末のタックスリターンで精算します。自分が居住者か非居住者かで、Medicare Levyの要否や海外所得の申告要否が変わるため、複雑なケース(日本に副業収入がある、投資がある、長期滞在で生活実態がある等)では自己判断せず、ATOの判定ツールや税理士に確認するのが安全です。
確認方法:ATOには『Work out your tax residency』という判定ツールがあり、質問に答えると自分の居住区分の目安が分かります。TFN Declaration提出時の居住区分の選択にも関わるため、就労開始前に一度確認しておくと、源泉徴収や年度末の申告での行き違いを防げます。